この記事は、学校施設の設計・施工を行う株式会社光建舎が作成しています。設計(ウイングスペース一級建築士事務所)から施工まで一社で対応し、専門学校・高校・自治体の学校施設を手がけています。

廃校活用の補助金・交付金

跡地活用に使える国の支援制度

廃校になった校舎を活用したいが、改修費の財源が見つからない——自治体の施設担当・企画担当の方から、こうしたご相談をいただくことが少なくありません。統合校の整備には文部科学省の補助制度がありますが、「廃校を別の用途に生まれ変わらせる」側の財源は、どこを探せばよいのか分かりにくいのが実情です。

この記事では、廃校の活用・改修に使える国の支援制度を、所管省庁ごとに整理します。内閣府の地方創生関連交付金、総務省の公共施設等適正管理推進事業債(転用事業)、過疎地域向けの交付金、企業版ふるさと納税、そして文部科学省「みんなの廃校プロジェクト」の使い方まで、一次情報にもとづいて解説します。あわせて、見落とすと計画が止まりかねない「国庫補助を受けた学校施設の財産処分」との関係も整理しました。

なお、本記事の制度情報はすべて2026年7月時点のものです。補助金・交付金は年度ごとに名称・予算額・要件が変わるため、実際の検討にあたっては必ず各所管の最新公表資料をご確認ください。読み終えたときには、「自分の自治体の廃校には、どの窓口から当たればよいか」の見当がつく状態を目指しています。学校・教育施設の改修を全国で手がける当社では、活用構想の段階からのご相談も承っています。廃校活用の構想づくりと概算費用について光建舎に相談することも可能です。

廃校活用の補助金とは|「活用後の用途」を所管する省庁から探す

廃校活用の補助金とは、廃校施設を学校以外の用途に転用・改修する際に、その用途を所管する省庁の制度から支援を受ける仕組みのことです。「廃校活用」という名前の単一の補助金があるわけではありません。ここが最初のつまずきポイントです。

文部科学省は廃校施設の有効活用を推進していますが、活用そのものに対する専用の補助金を持っているわけではなく、情報発信とマッチング、活用事例の紹介、そして各省庁の補助制度の取りまとめという役割を担っています。実際、文部科学省が公表している「廃校施設の活用に当たり利用可能な主な国庫補助制度(令和8年4月現在)」という資料も、こども家庭庁・厚生労働省・農林水産省・国土交通省・文化庁・総務省・内閣府といった他省庁の制度を一覧化したものです(出典:文部科学省「みんなの廃校プロジェクト」)。

つまり、財源を探す順番は「補助金から用途を決める」ではなく、「用途を決めてから、その用途の所管省庁を当たる」が正解です。福祉施設にするなら厚生労働省・こども家庭庁、宿泊・体験交流施設なら農林水産省、まちづくり拠点なら国土交通省、というように入口が変わります。

現場では、「まず補助金の一覧を見て、使えそうなものに合わせて用途を考える」という進め方をされる例も見かけますが、これは要件との齟齬が後から発覚しやすく、あまりおすすめできません。地域のニーズと需要見込みから用途を固めるほうが、結果的に採択にも近づきます。

なお、廃校の発生規模は決して小さくありません。文部科学省によれば、全国では毎年約450校程度の廃校施設が生じています。また令和6年5月1日現在、平成16年度から令和5年度に発生した廃校のうち施設が現存する7,612校について、5,661校(74.4%)が何らかの用途で活用されている一方、1,951校は活用されていない状態です(出典:文部科学省「令和6年度廃校施設活用状況実態調査」)。

廃校活用に使える国の支援制度 一覧(2026年7月時点)

廃校活用の財源は、大きく「①用途別の国庫補助金」「②地方創生系の交付金」「③地方財政措置(地方債+交付税)」「④民間資金の呼び込み」の4層に分かれます。まずは全体像を押さえてください。

区分 制度名 所管 位置づけ・ポイント
①用途別の国庫補助 次世代育成支援対策施設整備交付金/就学前教育・保育施設整備交付金/保育対策総合支援事業費補助金 こども家庭庁 保育所等・認定こども園・放課後児童クラブ等への転用
①用途別の国庫補助 社会福祉施設等施設整備費補助金 厚生労働省 障害者施設等への転用
①用途別の国庫補助 農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出整備事業 農泊推進型/定住促進・交流対策型) 農林水産省 農山漁村の所得向上・雇用創出に資する施設等
①用途別の国庫補助 林業・木材産業関連対策のうち木造公共建築物等の整備 林野庁 交流施設等の公共施設の木造・木質化
①用途別の国庫補助 都市構造再編集中支援事業/社会資本整備総合交付金(都市再生整備計画事業・空き家再生等推進事業)/空き家対策総合支援事業 国土交通省 立地適正化計画の誘導施設、地域交流センター等
①用途別の国庫補助 重要文化財・登録有形文化財の修理等事業ほか 文化庁 文化財に指定・登録された校舎
①用途別の国庫補助 スポーツ振興くじ助成(地域スポーツ施設整備助成) スポーツ庁/日本スポーツ振興センター 地域スポーツ施設への転用
②地方創生系交付金 地域未来交付金(地域未来推進型) 内閣府 拠点整備事業でハード整備を支援。補助率1/2
②地方創生系交付金 過疎地域持続的発展支援交付金(過疎地域遊休施設再整備事業) 総務省 過疎地域市町村等。廃校舎を明示的に対象
③地方財政措置 公共施設等適正管理推進事業債(転用事業) 総務省 充当率90%、交付税措置率30〜50%
④民間資金 企業版ふるさと納税(地方創生応援税制) 内閣府 企業寄附に最大約9割の軽減効果

(出典:文部科学省「廃校施設の活用に当たり利用可能な主な国庫補助制度(令和8年4月現在)」、内閣府・総務省の各公表資料をもとに作成)

制度によって補助率・上限額・計画への位置づけ要件がまったく異なります。以下では、用途を問わず多くの自治体で検討対象になる②③④の4制度を詳しく見ていきます。

内閣府の地方創生交付金|2026年度の名称は「地域未来交付金」

地方創生関連の交付金は、2026年度(令和8年度)時点では「地域未来交付金」という名称です。ここを間違えると、古い制度名で検索して情報にたどり着けません。

この交付金の系譜は数年ごとに名称と枠組みが変わってきました。地方創生推進交付金・地方創生拠点整備交付金 → デジタル田園都市国家構想交付金 → 新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)→ 地域未来交付金、という流れです(出典:内閣官房地域未来戦略本部事務局・内閣府「地域未来交付金について」令和8年4月)。ネット上には旧名称のまま更新されていない解説記事も多いため、必ず内閣府の現行ページで確認してください。

廃校活用で使う可能性が高いのは、地域未来交付金のなかの「地域未来推進型」です。同型は地方公共団体の自主性と創意工夫にもとづく地域独自の取組を、計画から実施まで後押しするもので、ソフト事業と拠点整備事業(ハード)を一本の申請で受け付ける設計になっています。

内閣府が公表している令和8年4月時点の制度概要では、拠点整備事業の補助率は1/2、交付上限額(国費)は1自治体当たり都道府県・中枢中核都市が15億円/年度、市区町村が10億円/年度、事業計画期間は原則3か年度以内(最長5か年度)とされています。予算規模は令和8年度当初1,600億円、令和7年度補正1,000億円です。

実務上のポイントは3つあります。第一に、地方版総合戦略にもとづく事業であること。第二に、目指す将来像・課題設定、KPI設定の適切性、自立性、地域の多様な主体の参画といった観点でS〜Dの5段階評価を受けること。第三に、廃校を「箱として直す」だけの計画では評価されにくく、その施設で何を起こすかというソフト面の設計が問われることです。

つまり、設計・施工の前段階で「誰が運営し、どのくらい人が来て、どんな地域効果が出るのか」を数字で描けているかが勝負になります。この部分の詰めが甘いまま設計に進み、後戻りになるケースを現場でもしばしば拝見します。

総務省の地方財政措置|公共施設等適正管理推進事業債「転用事業」

補助金が見つからない場合でも、地方債と交付税措置による実質的な負担軽減という道があります。その中心が公共施設等適正管理推進事業債です。

公共施設等適正管理推進事業債とは、公共施設等の更新・統廃合・長寿命化などに長期的視点で取り組めるよう、地方団体の取組を後押しする地方債のことです。対象事業は①集約化・複合化事業、②長寿命化事業、③転用事業、④立地適正化事業、⑤ユニバーサルデザイン化事業、⑥除却事業の6つで、廃校の用途変更はこのうち③転用事業に該当します。

総務省が公表している資料によれば、充当率は90%、元利償還金に対する交付税措置率は転用事業を含む②〜⑤について財政力に応じて30〜50%、事業期間は令和8年度までとされています(出典:総務省自治財政局財務調査課「地方公共団体における公共施設等の適正な管理の推進について」令和7年11月)。事業期間は年度ごとの地方財政対策で見直される性質のものですから、令和9年度以降の取扱いは、その年度の地方財政対策の公表内容を確認する必要があります。

注意点として、対象事業は公共施設等総合管理計画等に位置づけることが必要です。廃校の転用を思い立ってから計画に書こうとすると、計画改訂のスケジュールに事業全体が引きずられます。総合管理計画・個別施設計画の改訂タイミングと、廃校の発生時期を重ねて逆算しておくことが実務上は重要です。

なお、補助金と地方債は排他的なものではありません。国庫補助を受けた事業の地方負担分に地方債を充てる組み合わせも一般的です。どの制度をどう重ねられるかは事業の性質で変わるため、早い段階で財政部局と擦り合わせることをおすすめします。

過疎地域の廃校に効く|過疎地域遊休施設再整備事業

過疎地域の市町村であれば、廃校舎を名指しで対象にしている交付金があります。総務省の過疎地域持続的発展支援交付金のうち「過疎地域遊休施設再整備事業」です。

この事業は、過疎地域にある遊休施設を再活用して地域間交流および地域振興を図るための施設整備を支援するものです。交付要綱では対象要件として「現在使用されていない家屋、廃校舎、その他本来の用途を廃止した施設等遊休施設を有効活用するものであること」が明記されています(出典:総務省「過疎地域持続的発展支援交付金交付要綱」)。

要綱上の主な数値は次のとおりです。

  • 交付率:交付対象経費の1/3
  • 一事業当たりの交付対象経費の限度額:60,000千円(6,000万円)
  • 交付対象経費:主要施設改修費(庁舎等公用に供する部分を除く)、機能拡張にかかる付帯施設・設備費
  • 遊休施設を借り受けて整備する場合は、10年間以上の借受けを約すること

交付対象団体は、過疎地域市町村および構成団体の2分の1以上が過疎地域市町村である一部事務組合等です。また、過疎法第8条に定める過疎地域持続的発展市町村計画(過疎計画)に、当該年度に事業を実施することを位置づける必要があります。

令和8年度の募集要領では、評価項目として「遊休施設を改修すること自体が目的となっていないか」「期待される事業の効果及び施設利用見込み(目標稼働率)の積算は妥当であるか」「改修後の施設の利活用方策が効果的であるか」といった点が挙げられています。また「民間と競合する施設は、原則対象とならない」とされている点も見落とせません。

ここでも問われているのは、改修そのものではなく改修後の運営です。目標稼働率の積算根拠として、類似施設の利活用状況や観光入込客数などの定量データを求められます。設計に入る前に、この数字を用意できるかどうかを確かめてください。廃校の改修規模と概算費用の目安が固まらないと運営収支も描けませんので、廃校の改修範囲と概算工事費について光建舎の無料相談を利用するといった形で、早い段階に技術面の当たりをつけておくと計画が進めやすくなります。

企業版ふるさと納税で民間資金を呼び込む

補助金・交付金・地方債に加えて、民間企業の寄附を財源に組み込む選択肢が企業版ふるさと納税です。廃校活用は企業にとってもストーリーを語りやすい事業であり、相性は悪くありません。

企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)とは、地方公共団体が地域再生計画にもとづき実施する地方創生の取組に対して企業が寄附した場合に、法人関係税から税額控除を受けられる制度のことです。損金算入による約3割の軽減効果と、最大6割の税額控除を合わせて、最大約9割の軽減効果があり、企業の実質負担は約1割まで圧縮されます(出典:内閣府地方創生推進事務局「企業版ふるさと納税」令和8年4月1日資料)。

税額控除の内訳は、法人住民税が寄附額の4割(法人住民税法人税割額の20%が上限)、法人住民税で4割に達しない場合はその残額を法人税から控除(寄附額の1割が限度、法人税額の5%が上限)、法人事業税が寄附額の2割(法人事業税額の20%が上限)です。

制度を使う際の主な留意点は次のとおりです。

  1. 地方公共団体が地方版総合戦略をもとに地域再生計画を策定し、認定を受ける必要があります
  2. 寄附企業への経済的な見返りは禁止されています(自治体のHP・広報誌等による企業名の紹介や、公正なプロセスを経た契約は可能とされています)
  3. 本社が所在する地方公共団体への寄附は対象外です
  4. 10万円以上の寄附が対象です
  5. 東京都、および地方交付税の不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村は本制度の対象外です

適用期限については、令和7年度税制改正で3年間(令和9年度まで)延長されています。制度の活用は広がっており、令和6年度の寄附額は631.4億円、寄附企業は8,464社、計画策定自治体は令和8年4月1日時点で1,613団体にのぼります。

企業版ふるさと納税は補助金の代替というより、補助金の対象外経費や地方負担分を埋める補完財源として設計するのが現実的です。廃校活用では、備品・什器、外構、サイン計画など補助対象になりにくい部分をここで賄う組み立てが考えられます。

文科省「みんなの廃校プロジェクト」の使い方

制度探しの入口として最も効率がよいのが、文部科学省の「みんなの廃校プロジェクト」です。補助金そのものではありませんが、各省庁の制度一覧と活用事例、そして活用者とのマッチングという3つの機能を持っています。

「みんなの廃校」プロジェクトとは、平成22年9月に文部科学省が立ち上げた、活用用途を募集している全国の廃校施設情報を集約・発信し、活用を推進する取組のことです。廃校を「使ってほしい」自治体と「使いたい」企業等をつなぐ役割を担っています。

自治体側の使い方は、主に次の4つです。

  1. 補助制度一覧を起点にする:サイト内の「廃校施設等の活用に当たり利用可能な補助制度について」で、用途別に所管省庁と問い合わせ先を確認する
  2. 活用用途の募集情報を掲載する:活用用途を募集している廃校施設の一覧に登録し、全国の事業者に情報を届ける(一覧は毎月更新されています)
  3. 活用事例集で用途の当たりをつける:全国の廃校活用事例集・事例リンク集から、自地域と条件が近い用途を探す
  4. 廃校活用推進イベントに参加する:事業者とのマッチングの場として活用する

なお、掲載されている補助制度一覧には「補助事業には要件があります。各補助制度の詳細については、所管官庁の担当部署にお問い合わせ下さい」との注記があります。一覧はあくまで入口であり、要件・補助率・スケジュールは所管省庁への直接確認が必須です。

国庫補助施設の財産処分と補助金の関係

ここが最も見落とされやすい論点です。国庫補助を受けて整備した校舎を学校教育以外の用途に使う場合、他省庁の補助金を申請する前に、文部科学省の財産処分手続を整理しておく必要があります。

財産処分手続とは、公立学校施設整備費補助金等を受けて整備した学校施設を処分制限期間内に学校教育以外の用途で活用する場合に、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(適正化法)第22条にもとづき、文部科学大臣の承認を受けたうえで国庫補助相当額を国庫に納付する手続のことです(出典:文部科学省「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分手続の概要について」)。

もっとも、文部科学省は廃校施設や余裕教室の有効活用を促進するため、一定の要件を満たせば国庫納付を要さず報告書の提出で済むようにするなど、手続の簡素化を図っています。整理すると、おおむね次のような構造です。

状況 手続の考え方
処分制限期間を経過している 承認手続不要
国庫補助事業完了後10年以上経過・無償での転用/貸与/譲渡 大臣への報告で足りる(国庫納付不要)
国庫補助事業完了後10年以上経過・有償での貸与/譲渡 承認申請が必要。国庫納付金相当額以上を基金に積み立てる場合は国庫納付を要しない
国庫補助事業完了後10年未満 原則として承認申請および国庫納付が必要

(出典:文部科学省「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分手続の概要」令和8年3月通知をもとに整理)

このほか、市町村合併に関する計画にもとづく場合、内閣総理大臣による地域再生計画の認定を受けた場合、廃校施設等の改変を行わない一時的な転用・貸与であって公益に資する用に供する場合などについても、取扱いが定められています。個別の判断は施設ごとの補助履歴に左右されますので、都道府県教育委員会を通じて文部科学省に事前相談することが確実です。

実務上の順番は、「補助履歴の棚卸し → 財産処分の見通し確認 → 活用用途の決定 → 所管省庁の補助制度に当たる → 設計」です。財産処分の見通しが立たないまま補助申請のスケジュールを組むと、年度内の交付決定に間に合わなくなります。手続の詳細は「廃校の売却・貸付と公募の進め方」で解説していますので、あわせてご覧ください。

廃校活用の財源確保を進める7ステップ

制度を並べただけでは動けません。実際の進め方を番号で整理します。

  1. 廃校施設の補助履歴を洗い出す:どの補助金で、いつ整備・改修したかを台帳と交付決定通知から特定します
  2. 財産処分の取扱いを確認する:処分制限期間、10年経過の有無、無償/有償の別で手続が変わります
  3. 地域ニーズから活用用途を決める:住民アンケート、事業者ヒアリング、周辺類似施設の稼働状況から需要を定量化します
  4. 建物の状態を調査する:耐震性能、劣化状況、アスベストの有無、設備更新の要否を把握し、改修可能性と概算費用を押さえます
  5. 用途の所管省庁と財源を突き合わせる:用途別補助金、地域未来交付金、公共施設等適正管理推進事業債、企業版ふるさと納税を組み合わせて資金計画を作ります
  6. 必要な計画に位置づける:公共施設等総合管理計画・個別施設計画・過疎計画・地域再生計画など、制度が求める計画への記載を前年度から仕込みます
  7. 設計・工事のスケジュールを財源年度に合わせる:交付決定時期、繰越の可否、単年度完了の要否を確認し、実施設計と工期を逆算します

この7ステップで特に事故が起きやすいのは、4と7です。用途が決まってから建物調査に着手すると、想定外の耐震補強やアスベスト除去が判明して概算が跳ね上がり、資金計画の組み直しになります。逆に、調査を先行させておけば「この予算規模ならこの用途が現実的」という判断ができます。

当社では、調査・設計・施工までをワンストップでお引き受けしており、上流の構想段階から関わることで、こうした後戻りを減らすお手伝いをしています。用途がまだ固まっていない段階でも、建物の素性から「できること・できないこと」を整理することは可能です。廃校の建物調査と活用可能性の相談を光建舎に申し込むところから始めていただくのも一つの方法です。

よくある質問

Q1. 廃校活用そのものを対象にした国の補助金はありますか。

A. 「廃校活用」という名称の単独の補助金は、2026年7月時点では確認できません。活用後の用途を所管する省庁の補助制度を使うのが基本です。文部科学省は「廃校施設の活用に当たり利用可能な主な国庫補助制度」として各省庁の制度を一覧化していますので、そこを起点にしてください。

Q2. 地方創生の交付金は、いまはどの名称ですか。

A. 2026年度(令和8年度)時点の名称は「地域未来交付金」です。地方創生推進交付金・地方創生拠点整備交付金からデジタル田園都市国家構想交付金、新しい地方経済・生活環境創生交付金を経て現在の名称になりました。名称が変わっても旧制度の解説記事が残っているため、内閣府の公表資料で必ず現行名称を確認してください。

Q3. 補助金がない用途でも、財政的な支援は受けられますか。

A. 公共施設等適正管理推進事業債の「転用事業」を検討できます。充当率90%、元利償還金に対する交付税措置率は財政力に応じて30〜50%で、事業期間は令和8年度までとされています(2026年7月時点)。ただし公共施設等総合管理計画等への位置づけが必要です。

Q4. 国庫補助で建てた校舎を有償で貸し付けると、必ず国庫納付が発生しますか。

A. 一律ではありません。国庫補助事業完了後10年以上経過した施設を有償で貸与・譲渡する場合、承認申請は必要ですが、国庫納付金相当額以上を基金に積み立てるなど所定の要件を満たせば国庫納付を要しない取扱いがあります。施設ごとの補助履歴で結論が変わるため、都道府県教育委員会経由で文部科学省に事前相談してください。

Q5. 民間事業者に活用してもらう場合でも、自治体側で補助金は使えますか。

A. 制度によります。過疎地域遊休施設再整備事業のように「民間と競合する施設は原則対象とならない」と明記されているものもあれば、官民連携を前提に設計されている制度もあります。また企業版ふるさと納税は、寄附企業への経済的な見返りが禁止されている点に注意が必要です。用途と事業スキームが決まった段階で、所管省庁に個別に確認することをおすすめします。

まとめ|制度の地図を先に描けば、廃校は動き出す

廃校活用の財源探しでつまずくのは、「廃校活用の補助金」という一枚看板の制度を探してしまうからです。実際には、活用後の用途を決めて、その用途の所管省庁に当たるのが正しい順番でした。

本記事で整理した4層を、もう一度確認してください。用途別の国庫補助(こども家庭庁・厚生労働省・農林水産省・国土交通省・文化庁・スポーツ庁)、地方創生系の交付金(内閣府「地域未来交付金」、総務省「過疎地域遊休施設再整備事業」)、地方財政措置(公共施設等適正管理推進事業債の転用事業)、そして民間資金(企業版ふるさと納税)。この4層のどこに自分の事業が乗るかが見えれば、庁内での議論はぐっと具体的になります。

そして、どの制度を使う場合でも先行するのが、国庫補助施設の財産処分の整理と、建物そのものの調査です。この2つの見通しが立っていない計画は、途中で必ず止まります。逆に言えば、ここさえ押さえておけば、年度の予算編成に間に合う形で財源を組むことができます。

制度は年度ごとに変わります。名称も、補助率も、事業期間もです。だからこそ、最新の一次情報を確認する習慣と、建物側の条件を早めに把握しておく備えの両方が必要になります。

当社は内装仕上げ・改修を軸に、企画から設計・施工・アフターまで一貫して対応しており、学校・教育施設の改修に特化した実績とノウハウを全国で積み重ねてきました。補助金・交付金の活用支援も含め、上流から下流まで一貫してお手伝いできることが強みです。廃校の活用をこれから検討される自治体のご担当者様は、廃校活用の進め方と改修計画について光建舎に無料で相談することから、はじめの一歩を踏み出していただければと思います。

※本記事に記載した制度の内容・数値は2026年7月時点で公表されている情報にもとづくものです。制度は年度により変更されますので、最新情報は各所管省庁の公表資料をご確認ください。

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