目次
発注方式・営繕基準・供用中の施工
築40年を超えた庁舎や図書館の改修を任され、設計と工事をどう分けて発注するか、窓口を閉められない建物でどう工程を組むか、そもそも新築と同じ仕様書を使ってよいのか——公共施設の施設担当や営繕担当をされていると、こうした問いが同時に押し寄せてくるのではないでしょうか。公共建築の改修は、新築の縮小版ではありません。使う技術基準も、想定される発注方式も、現場で守るべき施工条件も、新築とは別の体系が用意されています。
この記事では、庁舎・図書館・文化施設といった公共建築の改修工事について、①改修が制度上どう位置づけられているか、②国が整備している営繕の技術基準をどう使うか、③品確法が用意している発注方式の選択肢、④供用しながら工事を成立させるための実務、⑤長寿命化・ZEB化と財源の考え方を、一次情報にあたって整理します。読み終えたときには、庁内の会議で「この建物はこの基準に沿って、この方式で、この順番で発注する」と説明できる状態を目指します。内装仕上げ・改修を軸に企画から設計・施工・アフターまで一貫して手掛ける当社の現場知見をもとに構成しました。工事範囲と発注区分の当たりを付ける段階から、庁舎・図書館など公共建築の改修について光建舎に相談するところから始めていただけます。
なお本記事は「公共建築の改修工事の実務」に特化しています。施設全体の総量をどう管理するかという上位の枠組みは関連記事「公共施設の再編と学校|総合管理計画での位置づけ・財政措置・庁内体制」を、複数機能を1つの建物にまとめる際の設計・管理区分は「学校施設の複合化とは?類型・設計要点・財政支援を自治体担当者向けに解説」をご覧ください。
公共施設の改修工事とは|「営繕」の一部であり、新築とは別の基準で動く
公共施設の改修工事とは、庁舎・図書館・文化施設などの公共建築について行う「模様替」及び「修繕」の工事のことです。 結論として、改修は新築とは別の技術基準で動きます。国が定める標準仕様書が、新築用と改修用で最初から別冊になっているからです。
「営繕」「改修」「保全」を法令の言葉で押さえる
まず用語を整理します。ここを曖昧にしたまま議論すると、庁内で話が噛み合いません。
「営繕」とは、建築物の建築、修繕又は模様替をいいます(官公庁施設の建設等に関する法律第2条第1項)。つまり営繕は、新築も改修も含む上位概念です。
そのうち改修について、国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」は、適用範囲を「建築物等の模様替及び修繕(以下「改修」という。)に係る建築工事に適用する」と明記しています。改修=模様替+修繕、というのが公式の切り分けです。
一方、「保全」とは、建築物の当初の性能等を維持・確保するため、建築物を良好な状態に保つことをいいます(国土交通省官庁営繕部)。日常の点検・清掃・保守が保全、それを超えて工事として手を入れるのが改修、と整理すると実務が動きやすくなります。官公庁施設の建設等に関する法律第11条は「各省各庁の長は、その所管に属する建築物及びその附帯施設を、適正に保全しなければならない」と定めており、保全は義務です。
そして「公共建築工事」については、社会資本整備審議会答申を受けて国土交通省がまとめた「公共建築工事の発注者の役割」解説書(第四版・令和7年12月)が、国及び地方公共団体が実施する建築物の新築、増築、改修工事等をいい、工事に加え、その企画、調査(敷地測量、地盤調査、既存建築物調査等)、設計、設計意図伝達、工事監理を含むものと整理しています。改修工事は、工事だけを指す言葉ではないということです。
新築と改修で標準仕様書が別建てになっている理由
国土交通省は「公共建築工事標準仕様書」(新築工事用)と「公共建築改修工事標準仕様書」(改修工事用)を、それぞれ建築工事編・電気設備工事編・機械設備工事編の3編で整備しています。いずれも2026年8月時点で令和7年版が最新で、各府省庁が官庁営繕事業を実施するための「統一基準」に位置づけられ、改定周期は3年とされています。
なぜ別建てなのか。改修には、新築には存在しない工程が前提として組み込まれているからです。改修標準仕様書(建築工事編)の目次を見ると、その差がはっきりします。
| 区分 | 主に使う基準(2026年8月時点) | 改修に特有の内容 |
|---|---|---|
| 施工仕様(建築) | 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 | 石綿含有建材の調査、施工調査、既存部分の撤去・下地補修、耐震改修、環境配慮改修 |
| 施工仕様(設備) | 公共建築改修工事標準仕様書(電気設備工事編・機械設備工事編)令和7年版 | 既存設備の撤去・切替えを前提とした仕様 |
| 設計 | 建築設計基準(令和7年改定)、建築設備計画基準・建築設備設計基準(令和6年版) | 既存条件の制約下での性能確保 |
| 性能設定 | 官庁施設の基本的性能基準(令和6年改定) | 企画立案段階から改修後の目標性能を設定 |
| 耐震 | 官庁施設の総合耐震・対津波計画基準(平成25年制定)、官庁施設の総合耐震診断・改修基準(平成8年制定) | 診断と改修が一体の基準として整備 |
| 業務委託 | 公共建築設計業務委託共通仕様書・建築工事監理業務委託共通仕様書(いずれも令和6年改定) | 既存建築物調査を含む業務範囲の設定 |
| 保全 | 建築保全業務共通仕様書(令和5年版) | 定期点検及び保守、運転・監視及び日常点検・保守、清掃、執務環境測定等、警備 |
| 解体を伴う場合 | 建築物解体工事共通仕様書(令和4年版) | 部分解体・撤去の扱い |
(出典:国土交通省「官庁営繕の技術基準」および各基準本文。2026年8月時点)
改修標準仕様書(建築工事編)令和7年版の章立ては、1章 各章共通事項/2章 仮設工事/3章 防水改修工事/4章 外壁改修工事/5章 建具改修工事/6章 内装改修工事/7章 塗装改修工事/8章 耐震改修工事/9章 環境配慮改修工事、という構成です。1章のなかに「石綿含有建材の調査」と「施工調査」という節が独立して置かれている点が、新築の仕様書との決定的な違いです。既存建物を開けてみないと確定しないものがある、という前提が仕様書のレベルで織り込まれている、ということです。
現場では「新築の仕様書を流用して特記仕様書を作ってしまい、既存撤去や養生の条件が抜けていた」というご相談を受けることがあります。改修の設計図書は、改修標準仕様書を土台に組み立てることをおすすめしています。
自治体が使える営繕の技術基準|国の「統一基準」は地方でも参照できる
国土交通省官庁営繕部の技術基準は、国の機関の建築物を対象に整備されたものですが、公表されており、地方公共団体が自らの営繕業務で参照することを妨げるものではありません。 実際、国と地方公共団体で共通的に利用可能な指針等が、中央官庁営繕担当課長連絡調整会及び全国営繕主管課長会議でとりまとめられています。
技術基準は「基準・要領・資料」の三層になっている
国土交通省は技術基準を次のように定義しています。「基準」は統一的かつ効率的に官庁施設の営繕等を実施するために必要となる技術的事項等を定めたもの、「要領」は営繕等の業務を統一的又は効率的に行うための業務管理に係る事項等を定めたもの、「資料」は基準又は要領を円滑かつ適切に実施するために必要となる資料や指針となる事項等をとりまとめたものです。
そのうえで国土交通省は、「工事内容、発注者の体制、委託する業務の内容等によって、活用する技術基準やその方法等が変わる可能性がある」「発注者が、必要となる技術基準等を適切に判断することが必要」としています。全部を機械的に適用するのではなく、案件ごとに取捨選択するのが正しい使い方だと考えられます。
なお、答申や解説書を補足するものとして「地方公共団体における建築事業の円滑な実施に向けた手引き」(平成29年7月)もとりまとめられており、体制が限られる団体ほど参照価値が高い資料です。
設計図書の優先順位を最初に共有しておく
改修工事では、現場に入ってから設計図書どうしの食い違いが表面化しがちです。改修標準仕様書は、全ての設計図書は相互に補完するとしたうえで、相違がある場合の適用の優先順位を次のとおり定めています。
- 質問回答書(以下2〜5に対するもの)
- 現場説明書
- 特記仕様書
- 別冊の図面
- 改修標準仕様書
この順位を発注前に庁内と受注者で共有しておくと、変更協議の判断が速くなります。逆に、特記仕様書に書き切れていない事項が多いほど、現場での協議が増えます。
改修の起点になる法定点検を押さえる
自治体が所有・管理する建築物には、建築基準法第12条に基づく点検・報告の義務があります。ここで実務上まちがえやすいのは、団体の区分によって義務の形が変わる点です。
同法第12条第1項の「定期報告」の対象からは、国、都道府県及び建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物が除かれています。これらの団体が所有・管理する特定建築物については、第12条第2項により、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の「点検」をさせなければならない、と定められています。建築設備等についても同様に第3項(報告)と第4項(点検)で書き分けられています。
裏を返せば、建築主事を置いていない市町村が所有・管理する特定建築物は、第1項の定期報告の枠組みに乗ることになります。自団体がどちらの枠組みなのかを確認しておくことが、改修計画の第一歩です。この点検・報告の結果は、改修の優先順位づけの根拠資料としてそのまま使えます。
何をどこまで直すかは「性能」で決める|官庁施設の基本的性能基準
改修の範囲は「劣化している場所」ではなく「確保すべき性能」から決めるほうが、庁内の合意が取りやすくなります。 国土交通省の「官庁施設の基本的性能基準」(令和6年改定)は、官庁施設として有すべき性能を5つに分類し、水準と技術的事項、その検証方法まで定めています。
分類は次のとおりです。社会性(地域性、景観性)、環境保全性(環境負荷低減性、周辺環境保全性)、安全性(防災性、機能維持性、防犯性)、機能性(利便性、ユニバーサルデザイン、室内環境性、情報化対応性)、経済性(耐用性、保全性)。この5分類を改修の検討シートの縦軸に置き、「今回の工事で上げる性能」「今回は据え置く性能」を仕分けると、予算査定の説明が組み立てやすくなります。
使用期間の目標は「65〜100年程度」
同基準の第5章(経済性)は、耐用性に関する性能について、「官庁施設の使用期間については、原則として、65から100年程度を目安として長期的に使用することを目標とする」と明記しています。特に記念性の高い施設等でこれを超えて使用することを目標とする場合、又はあらかじめ使用期間が限定されている場合は、目標とする使用期間に応じた性能の水準等を別途設定するとされています。
ここが重要です。会計上の法定耐用年数と、施設として使い続ける目標年数は、別物として設定してよい、という考え方が国の基準に明示されているということです。後述する総務省の資料でも、図書館について法定耐用年数50年に対し目標使用年数80年という事業イメージが示されています。
保全性=「作業性」と「更新性」
同基準は、保全性に関する性能を作業性(清掃、点検・保守等の維持管理が効率的かつ安全に行えること)と更新性(材料、機器等の更新が経済的かつ容易に行えること)で構成しています。
更新性の技術的事項には、「更新周期の異なる材料、機器等は、道連れ工事が少なく経済的かつ容易に更新が行えるよう、適切に分離され、組み合わされている」という項目が置かれています。作業スペースの確保、搬出入経路の確保、点検・更新が容易にできる配管・配線・ダクトスペースの確保も明記されています。
改修は、次の改修を安くする機会でもあります。今回の工事で「道連れ工事」を減らす形に直しておけば、20年後の更新費が下がる——この説明は、財政部局にも通りやすいと考えられます。
庁舎の耐震は「分類」から入る
防災拠点となる施設では、耐震安全性の目標水準そのものが一般の建築物と異なります。「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」(平成25年制定)は、構造体の耐震安全性を次の3分類で定めています。
- Ⅰ類:大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるもの
- Ⅱ類:大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られるもの
- Ⅲ類:大地震動により構造体の部分的な損傷は生じるが、建築物全体の耐力の低下は著しくないことを目標とし、人命の安全確保が図られるもの
そのうえで、建築基準法施行令第82条の3に規定する構造計算により安全さを確かめる場合、同条第二号の式で計算した数値にⅠ類は1.5、Ⅱ類は1.25を乗じて得た数値を各階の必要保有水平耐力とする、と定めています。建築非構造部材はA類・B類、建築設備は甲類・乙類として、それぞれ目標が設定されています。
「建築基準法の耐震基準は満たしている」と「防災拠点として求められる耐震安全性を満たしている」は別の話です。庁舎の改修では、この分類の確認から始めることをおすすめしています。
発注方式の選び方|品確法が用意している選択肢を知る
公共工事の発注方式は「一般競争入札か指名競争入札か」の二択ではありません。公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)は、複数の方式を条文で用意しており、発注者はそれらを選択し、組み合わせることができます。
品確法第3条第2項は、公共工事の品質は「経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的に優れた内容の契約がなされることにより、確保されなければならない」と定め、同条第4項は「発注者の能力及び体制を考慮しつつ、工事等の性格、地域の実情等に応じて多様な入札及び契約の方法の中から適切な方法が選択されることにより、確保されなければならない」としています。地方公共団体は第5条により、その地域の実情を踏まえて施策を策定し実施する責務を負います。
品確法が定める方式の整理
| 条文 | 方式 | 改修工事での使いどころ |
|---|---|---|
| 第14条 | 多様な方法の中からの適切な方法の選択・組合せ | 全ての出発点。工事の性格・地域の実情から選ぶ |
| 第15条 | 競争参加者等の技術提案を求める方式 | 供用しながらの工程計画や仮設計画を提案で競わせたい場合 |
| 第16条 | 段階的選抜方式 | 応募多数が見込まれ、提案作成負担を抑えたい場合 |
| 第17条 | 技術提案の改善 | 提案内容を審査過程で詰めたい場合(過程の概要は公表が必要) |
| 第18条 | 技術提案の審査及び価格等の交渉による方式 | 既存建物の状態により仕様の確定が困難な改修で有効 |
| 第19条 | 高度な技術等を含む技術提案を求めた場合の予定価格 | 特殊な工法を要する改修で、審査結果を踏まえて予定価格を定める |
| 第20条 | 複数年度一括発注/複数工事一括発注/事業体による参加 | 複数施設の同種改修をまとめる場合 |
| 第21条 | 競争が存在しないことの確認による方式 | 受注者となり得る者が極めて限られる地域・工種 |
| 第22条 | 発注関係事務を適切に実施することができる者の活用 | 職員不足等で発注関係事務を自ら適切に実施することが困難な場合 |
(出典:公共工事の品質確保の促進に関する法律。2026年8月時点の条文による)
特に第18条は、改修工事と相性がよい規定です。条文は、「当該公共工事等の性格等により当該工事等の仕様の確定が困難である場合において自らの発注の実績等を踏まえ必要があると認めるときは、技術提案を公募の上、その審査の結果を踏まえて選定した者と工法、価格等の交渉を行うことにより仕様を確定した上で契約することができる」としています。この場合、発注者は技術提案の審査及び交渉の結果を踏まえて予定価格を定めることになり、審査にあたっては中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聴くこと、審査の結果並びに審査及び交渉の過程の概要を公表することが求められます。
既存建物を開けてみないと数量が確定しない改修では、「仕様の確定が困難」という要件に該当し得ます。手続の負担は小さくないため、対象を選んで適用するのが現実的だと考えられます。
設計者はプロポーザル、設計意図伝達は設計者へ
設計業務の発注については、平成3年3月の建築審議会答申で、設計料の多寡による選定によってのみ設計者を選定するのではなく、設計者の創造性、技術力、経験等を適正に審査のうえ、その設計業務の内容に最も適した設計者を選定することが極めて重要であるとの考え方が示され、国土交通省は平成6年度に建築設計者の選定にプロポーザル方式を導入しています。平成27年1月に策定された「発注関係事務の運用に関する指針」でも、入札契約方式としてプロポーザル方式・総合評価落札方式等が挙げられています。
あわせて押さえておきたいのが、設計意図伝達業務は、設計図書を作成した設計者に発注する必要があるという整理です(社会資本整備審議会答申「官公庁施設整備における発注者のあり方について」、平成29年1月20日)。設計意図伝達業務は、工事施工段階で設計者が設計意図を正確に伝えるための質疑応答・説明や、工事材料・機器等の選定に関する設計意図の観点からの検討・助言等を行うもので、設計意図を正確に把握している当該設計者が行う必要があると考えられる、とされています。改修では既存条件の読み解きが設計者に蓄積されているため、この論点はより重みを持ちます。
体制が足りないときは第22条を使う
品確法第22条は、発注に係る公共工事等が専門的な知識又は技術を必要とすること、職員の不足その他の理由により自ら発注関係事務を適切に実施することが困難であると認めるときは、国、地方公共団体その他法令又は契約により発注関係事務の全部又は一部を行うことができる者の能力を活用するよう努めなければならないと定めています。無理に内製化して手続が滞るより、外部の力を組み込む選択肢が法律上用意されている、ということです。
なお同法第30条は、地方公共団体に対し、入札契約担当部局・事業実施部局・財政部局その他の関係部局の相互の緊密な連携の確保に努めることを求めています。発注方式の議論を施設所管課だけで進めないことが、結果的に早道になります。
工事範囲をどこで区切り、設計と施工をどう分け、どの方式に乗せるか——この判断は、図面と現地と制度を突き合わせて初めて決まります。検討を一段進めたい段階でしたら、改修の発注区分と発注方式の組み立てについて光建舎に相談することで、調査・設計・施工を通した実務目線での整理をお手伝いできます。
供用しながらの改修工事を成立させる|施工条件・養生・事前調査
庁舎や図書館の改修は、建物を空けられないまま進むことがほとんどです。これを成立させる鍵は、設計図書の「特記」に施工条件を書き切ることにあります。 改修標準仕様書は、多くの条件を「特記による」としており、書かなければ決まらない仕組みになっています。
施工日・施工時間・施工順序は特記で縛る
改修標準仕様書1章3節の「施工条件」は、次のように定めています。行政機関の休日に関する法律に定める行政機関の休日は施工しない(設計図書に定めのある場合又はあらかじめ監督職員の承諾を受けた場合を除く)。設計図書に施工日又は施工時間が定められ、これを変更する必要がある場合は、あらかじめ監督職員の承諾を受ける。設計図書に施工時間等が定められていない場合で夜間に施工する場合は、あらかじめ監督職員の承諾を受ける。施工順序に制約がある場合は、特記による。 工事用車両の駐車場所及び資機材の置場所も、特記による。
供用中の施設では、この4点(施工日、施工時間、施工順序、車両・資材の置場)がそのまま利用者への影響を決めます。「休日夜間で対応してほしい」と口頭で伝えるのではなく、設計図書に条件として明記することが、工期と積算の前提になります。
騒音・粉じん・養生の水準も特記事項
騒音・粉じん等の対策について、改修標準仕様書2章1節は、防音パネルを隙間なく取り付ける方法と、防音シートを重ねと結束を十分に施し隙間なく取り付ける方法を挙げ、適用は特記によるとしています。防音パネル等を取り付ける足場等の設置範囲等も特記です。ブレーカー、穿孔機、圧砕機等による粉じん発生部には、飛散防止対策を行うと定められています。
既存部分の養生についても、2章3節が細かく規定しています。既存部分の養生は特記により、特記がなければビニルシート、合板等の適切な方法で養生する。既存家具、既存設備等の養生方法は特記によるものとし、特記がなければ監督職員の承諾を受けてビニルシート等で養生する。既存ブラインド、カーテン等の養生方法、保管場所等も特記による。天候の急変のおそれのあるときは、漏水等に対する適切な養生を行い監督職員に報告する、とされています。
図書館の書架や文化施設の舞台機構のように、動かせない・動かすとコストが跳ねる什器がある施設では、この「既存家具・既存設備の養生方法」を誰が決めるかが工程を左右します。 設計段階で施設側と詰めておくべき事項です。
石綿の事前調査と施工数量調査は改修の前提工程
改修標準仕様書1章5節は、あらかじめ関係法令等に基づき石綿含有建材の事前調査を行うことを定めています。事前調査は既存の設計図書、石綿含有建材の調査報告書等の書面調査及び現地での目視調査により確認し、調査結果を取りまとめて監督職員に提出するとともに、その写しを工事の現場に備え置き、関係法令等に基づき官公署へ報告を行うこととされています。事前調査及び分析調査は、それぞれ厚生労働大臣が定めるものが行います。調査の結果、設計図書と異なる場合は監督職員と協議する、という手当ても書かれています。
同1章6節の「施工調査」も改修特有です。工事の着手に先立ち施工計画作成のための調査を行い、施工に先立ち施工数量調査を行う。調査範囲及び調査方法は特記による。調査の結果を監督職員に報告し、設計図書と異なる場合は監督職員と協議する。施工数量調査で既存部分の破壊を行った場合の補修方法は特記による——と定められています。
つまり制度の側は、「図面どおりでないことがある」を前提にした協議の手順をあらかじめ用意しているということです。この前提を発注時に共有できていない案件ほど、設計変更が紛糾しやすくなります。
利用者・近隣への対応は記録が残る形で
施工中の安全確保について、改修標準仕様書1章3節は、建築基準法、労働安全衛生法その他関係法令等に基づくほか、建設工事公衆災害防止対策要綱(建築工事等編)(令和元年9月2日付け国土交通省告示第496号)及び建築工事安全施工技術指針を踏まえ、常に工事の安全に留意することを求めています。
さらに近隣等との折衝については、地域住民等と工事の施工上必要な折衝を行うものとし、あらかじめその概要を監督職員に報告すること、工事に関して第三者から説明の要求又は苦情があった場合は、直ちに誠意をもって対応すること、その経過について記録し監督職員に報告することが定められています。施工中の環境保全等については、工事の施工の各段階において騒音、振動、粉じん、臭気、大気汚染、水質汚濁等の影響に配慮することが求められています。
当社は、在校中の学校や営業中の施設を止めずに進める安全・工程管理を強みとしています。利用者動線と工事動線を先に分け、そこから逆算して工区と工期を切るという順番を守るだけで、供用中改修の難易度は大きく下がります。
庁舎・図書館・文化施設で変わる論点
同じ「公共施設の改修」でも、庁舎・図書館・文化施設では優先すべき性能と制度の当たりどころが変わります。 用途を混ぜて一律に計画すると、必要な工事が抜けたり、使えたはずの制度を落としたりします。
| 施設 | 特に効いてくる性能・基準 | 改修計画での主な論点 |
|---|---|---|
| 庁舎(公用施設) | 官庁施設の総合耐震・対津波計画基準の耐震安全性分類、防犯に関する基準、業務継続のための機能確保 | 防災拠点としての目標水準の設定/執務を止めない工区分け/非常用電源・通信の更新 |
| 図書館(公共用の建築物) | 図書館の設置及び運営上の望ましい基準の施設・設備、危機管理 | 書架荷重と床の耐力/開架・閲覧・保存・レファレンス・集会展示の諸室構成/資料の一時移設と休館計画 |
| 文化施設・ホール | 基本的性能基準の安全性・機能性、建築基準法施行令第39条第3項(特定天井) | 大空間の非構造部材対策/舞台機構・音響設備の更新/主催事業スケジュールとの調整 |
(出典:国土交通省「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」「官庁施設の基本的性能基準」、文部科学省「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」、建築基準法施行令。2026年8月時点)
なお建築基準法施行令第39条第3項は、特定天井(脱落によって重大な危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める天井)の構造は、構造耐力上安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならないと定めています。ホールや体育施設のような大空間を持つ公共施設の改修では、天井が工事範囲に入るかどうかで規模も工期も大きく変わるため、早い段階での確認が必要です。
図書館については、図書館法第7条の2に基づく「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成24年文部科学省告示第172号)が、施設・設備について次のように定めています。市町村立図書館は、図書館資料の開架・閲覧、保存、視聴覚資料の視聴、情報の検索・レファレンスサービス、集会・展示、事務管理等に必要な施設・設備を確保するよう努めるものとする。あわせて、高齢者、障害者、乳幼児とその保護者及び外国人その他特に配慮を必要とする者が図書館施設を円滑に利用できるよう、傾斜路や対面朗読室等の施設の整備、拡大読書器等資料の利用に必要な機器の整備、点字及び外国語による表示の充実等に努めるとともに、児童・青少年の利用を促進するため専用スペースの確保等に努めるものとする、とされています。
同基準は危機管理についても、図書館は事故、災害その他非常の事態による被害を防止するため、危機管理に関する手引書の作成、関係機関と連携した危機管理に関する訓練の定期的な実施その他の十分な措置を講じるものとし、利用者の安全の確保のため防災上及び衛生上必要な設備を備えるものとしています。図書館の改修は「内装をきれいにする工事」ではなく、これらのサービス機能と安全確保を建築で支える工事だと捉え直すと、必要な工事項目が見えてきます。
なお、文化財として指定・登録されている建物を改修する場合は、建築物省エネ法上の適用除外に該当することがあります。同法施行令第4条第2項は、文化財保護法の規定により国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物等を、適用除外の対象として列挙しています。歴史的建造物を庁舎や文化施設として使い続けている団体では、確認が必要です。
長寿命化・ZEB化を改修にどう組み込むか|制度の当たりの付け方
改修の財源と省エネ要求は、どちらも「施設の種別」で扱いが変わります。庁舎(公用施設)と図書館(公共用の建築物)で結論が違う、というのが最大の注意点です。
公共施設等適正管理推進事業債の長寿命化事業は「公用施設」が対象外
総務省の公共施設等適正管理推進事業債は、対象事業として①集約化・複合化事業、②長寿命化事業、③転用事業、④立地適正化事業、⑤ユニバーサルデザイン化事業、⑥除却事業を掲げ、いずれも公共施設等総合管理計画等に位置づけることが必要としています。充当率は90%、元利償還金に対する交付税措置率は①が50%、②〜⑤が財政力に応じて30〜50%、⑥は措置なしです。事業期間は令和8年度まで(ただし経過措置として、令和8年度までに工事に着手した事業については令和9年度以降も現行と同様の地方財政措置を講ずる)とされ、令和8年度事業費は5,000億円です。
このうち②長寿命化事業(公共用の建築物)の対象は、個別施設計画に位置付けられた公共用の建築物に係る長寿命化事業であって、法定耐用年数を超えて公共用の建築物を使用するために行う改修事業(施設に附属する設備であって、当該施設を使用目標年数まで活用するために不可欠なものを含む)です。そして総務省の資料は、「公用施設や公営住宅、公営企業施設の改修事業は対象とならない」と明記しています。
つまり、庁舎そのものの長寿命化改修は、この事業債の②では拾えません。一方で図書館は「公共用の建築物」に当たり、総務省の資料は事業イメージとして図書館の外壁・建具・屋根防水の改修等(法定耐用年数50年→目標使用年数80年)を挙げています。
留意事項として、個別施設計画において当該改修事業が位置付けられているだけでなく、長寿命化の目標として法定耐用年数を超える使用目標年数が定められていることが求められます。また、改修に伴い面積が増加する場合は、改修前の施設の面積を上限として起債対象事業費を算出することとされています。個別施設計画に「使用目標年数」を書いていない団体は、まずそこから着手する必要があります。
なお⑤ユニバーサルデザイン化事業は、バリアフリー法に基づく公共施設等(公営住宅及び公営企業施設を除く)のバリアフリー改修事業と、それ以外の公共施設等のユニバーサルデザイン化のための改修事業が対象とされており、②とは対象施設の書きぶりが異なります。庁舎のバリアフリー改修を検討する場合は、こちらの区分での整理が考えられます。適用にあたっては、ユニバーサルデザイン化の推進方針等を記載した公共施設等総合管理計画に基づく事業であること、個別施設計画又はユニバーサルデザイン化を推進するために策定する計画に位置付けられている事業であることが求められます。
制度の細部は改正されます。適用可否は必ず最新の要件でご確認ください。
省エネは「新築の義務」と「改修の努力」が分かれている
建築物省エネ法第10条第1項は、建築主は、建築物の建築(エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ないものとして政令で定める規模以下のものを除く)をしようとするときは、当該建築物(増築又は改築をする場合にあっては、当該増築又は改築をする建築物の部分)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならないと定めています(2026年8月時点の条文)。政令で定める規模は、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令第3条により、建築に係る部分の床面積の合計10平方メートルです。
ここで重要なのは、適合義務の対象が「建築」(新築・増築・改築)であり、修繕・模様替(=改修)そのものは適合義務の対象ではないということです。増築・改築の場合も、義務がかかるのは当該増築・改築をする部分に限られます。
では改修では省エネを考えなくてよいのか、というとそうではありません。国土交通省の「官庁施設の環境保全性基準」(令和7年改定)は、建築物のエネルギー消費性能について、新築する場合は、原則として設計一次エネルギー消費量が、事務所等・学校等・工場等では基準一次エネルギー消費量に0.6を乗じて得た値以下、それ以外の用途では0.7を乗じて得た値以下となることを求めたうえで、それ以外(新築以外)の場合は「省エネ性能向上のための措置を講じること」としています。建築環境総合性能評価システム(CASBEE)による建築物の環境効率(BEE値)についても、特定事務庁舎を新築する場合は1.5以上、それ以外は1.0以上という水準が定められています。
同基準は令和4年3月改定で、政府実行計画の改定(令和3年10月22日)に基づき、官庁施設が確保すべきエネルギー消費性能として新築する場合は原則ZEB Oriented相当以上とすること等の改定が行われた経緯があります。新築でなくても、省エネ性能の向上そのものは求められている——この整理を庁内で共有しておくと、改修の内容に断熱・開口部・設備更新を組み込む議論が進めやすくなります。
環境保全性基準は長寿命についても技術的事項を示しています。階高、床面積、床荷重等の余裕度及び間仕切り等の可変性に配慮し内部機能の変化に柔軟に対応できるものとすること、構造体は耐久性に優れたものとすること、建築非構造部材及び建築設備は合理的な耐久性が確保されるとともに更新、修繕及び補修が容易なものとすること、適切な維持管理が容易に行えるよう適切な作業スペース等を確保すること。改修の際にこれらを織り込めるかどうかが、次の30年のコストを決めます。
公共施設の改修工事を進める9ステップ
改修は「調査→性能設定→発注方式決定→設計→施工」の順に進めるのが基本です。 順番を飛ばすほど、後工程で戻りが発生します。
- 法定点検・保全記録の棚卸し:建築基準法第12条に基づく点検・報告の結果、保全業務の記録、過去の工事履歴を1つの表にまとめます。ここが劣化の一次情報になります。
- 既存図書と現地の突合(既存建築物調査):竣工図・改修履歴と現況の差を確認します。「公共建築工事」には調査(敷地測量、地盤調査、既存建築物調査等)が含まれるという整理を、業務範囲の設定に使います。
- 石綿含有建材の事前調査の計画:関係法令に基づく事前調査を、設計段階のどこで実施するかを決めます。結果によって工法と工程が変わります。
- 確保すべき性能の設定:官庁施設の基本的性能基準の5分類(社会性・環境保全性・安全性・機能性・経済性)で、今回上げる性能と据え置く性能を仕分けます。庁舎であれば耐震安全性の分類もここで確定させます。
- 使用目標年数の決定と計画への位置づけ:使用期間の目標(65〜100年程度が目安)を定め、公共施設等総合管理計画・個別施設計画に反映します。財源の適用要件はここに紐づきます。
- 財源の当たり付け:施設が公用施設か公共用の建築物か、事業区分は長寿命化か・ユニバーサルデザイン化か・集約化かを整理し、要件と事業期間を確認します。
- 発注方式の決定:品確法第14条以下の方式から選択します。仕様の確定が困難な場合は第18条、体制が不足する場合は第22条を検討します。設計者選定はプロポーザル方式が基本線です。
- 設計図書に施工条件を書き切る:施工日・施工時間・施工順序、騒音粉じん対策の種別、既存家具・既存設備の養生方法、施工数量調査の範囲と方法、破壊部分の補修方法を特記します。
- 施工中の情報共有と記録:施工数量調査や事前調査の結果が設計図書と異なる場合の協議ルート、利用者・近隣への説明と苦情対応の記録の残し方を、着工前に取り決めます。
よくある質問
Q1. 国の「公共建築改修工事標準仕様書」を、市町村の工事にそのまま使ってよいのですか。
A. 使えます。改修標準仕様書は、公共工事標準請負契約約款に準拠した契約書により発注される公共建築工事において使用する材料(機材)、工法等について標準的な仕様を取りまとめたものであり、当該工事の設計図書に適用する旨を記載することで、請負契約における契約図書の一つとして適用されるものです。ただし、主に一般的な事務庁舎の模様替及び修繕への適用を想定して作成されているため、発注者及び設計者は、対象とする建築物の用途や規模等に応じて適切な材料・工法等を選定し、設計図書に仕様を特記する必要があります。記載外のものを採用する場合は、選定したものを設計図書に特記することとされています。
Q2. 庁舎の長寿命化改修に公共施設等適正管理推進事業債は使えますか。
A. 長寿命化事業(②)については、総務省資料が「公用施設や公営住宅、公営企業施設の改修事業は対象とならない」と明記しています。庁舎は公用施設に当たるため、この区分では拾えません。一方、ユニバーサルデザイン化事業(⑤)はバリアフリー法に基づく公共施設等(公営住宅及び公営企業施設を除く)のバリアフリー改修事業等を対象としており、書きぶりが異なります。工事内容ごとに適用区分を分けて整理することをおすすめします。最新の要件は必ず総務省資料でご確認ください。
Q3. 改修工事でも省エネ基準への適合は義務ですか。
A. 建築物省エネ法第10条第1項の適合義務は「建築物の建築」(新築・増築・改築)が対象で、修繕・模様替は適合義務の対象ではありません。増築・改築の場合も、義務がかかるのは当該部分に限られます。ただし国土交通省の官庁施設の環境保全性基準は、新築以外の場合について「省エネ性能向上のための措置を講じること」を求めています。義務ではないから何もしない、という整理にはならないと考えられます。
Q4. 供用しながらの工事で、利用者からの苦情はどう扱うべきですか。
A. 改修標準仕様書は、工事に関して第三者から説明の要求又は苦情があった場合は、直ちに誠意をもって対応し、その経過について記録して監督職員に報告することを定めています。実務としては、着工前に「誰が一次受けをするか」「どの範囲まで現場で回答してよいか」「記録の様式と共有頻度」を決めておくと、対応が安定します。あわせて、施工日・施工時間・施工順序を設計図書に明記しておくことが、苦情そのものを減らす最も効果的な手当てだと考えられます。
Q5. 設計と施工を分けるべきか、まとめるべきか、どう判断すればよいですか。
A. 一律の正解はありません。品確法第14条は、発注に係る公共工事等の性格、地域の実情等に応じ、多様な方法の中から適切な方法を選択し、又はこれらの組合せによることができると定めています。既存建物の状態により仕様の確定が困難な場合には、技術提案の審査及び価格等の交渉による方式(第18条)が用意されています。判断材料としては、①既存図書の精度、②工事の技術的難易度、③発注者側の体制、④工期の制約の4点を並べて比較するのが実務的です。体制が不足する場合は、第22条に基づく外部の能力の活用も選択肢になります。
まとめ|公共施設の改修は「基準・性能・発注方式」の順で決める
公共施設の改修工事は、新築の縮小版ではありません。改修=模様替及び修繕であり、国は改修専用の標準仕様書を新築とは別に整備しています。石綿含有建材の調査と施工調査が仕様書の1章に置かれているのは、「開けてみないと分からない」を制度が前提にしているからです。
進め方の骨格は3つです。第一に、基準を選ぶ。官庁営繕の技術基準は基準・要領・資料の三層で公表されており、案件ごとに必要なものを発注者が判断して使います。第二に、性能を決める。官庁施設の基本的性能基準の5分類で、今回上げる性能と据え置く性能を仕分け、使用期間の目標(65〜100年程度が目安)を定めます。第三に、発注方式を選ぶ。品確法は第14条から第22条まで複数の方式を用意しており、仕様の確定が困難な改修や、体制が足りない団体のための規定も含まれています。
そして財源は、施設が公用施設か公共用の建築物かで結論が変わります。公共施設等適正管理推進事業債の長寿命化事業は公用施設の改修を対象外としており、庁舎と図書館では当たりの付け方が異なります。事業期間が令和8年度までとされている点も、工程を組むうえで見落とせません。
供用しながらの改修は、設計図書の「特記」の密度で決まります。 施工日・施工時間・施工順序、騒音粉じん対策の種別、既存家具や既存設備の養生方法、施工数量調査の範囲——これらを発注前に書き切れているかどうかが、利用者への影響と設計変更の量を左右します。
どの棟から手を付けるか、どこまでを1回の工事にまとめるか、どの制度に乗せるか——現地と図面と制度を突き合わせて初めて決まる判断です。検討を具体化する段階でしたら、供用しながらの改修工程と工事範囲について光建舎に問い合わせることで、調査・設計・施工を一貫した視点から整理をお手伝いできます。営業中・利用中の施設を止めない安全・工程管理を含め、上流からのご相談を承ります。
※本記事の制度情報は2026年8月時点のものです。法令・技術基準・地方財政措置は改正されることがあるため、実務にあたっては最新の内容をご確認ください。
関連記事
- 公共施設の再編と学校|総合管理計画での位置づけ・財政措置・庁内体制
- 学校施設の複合化とは?類型・設計要点・財政支援を自治体担当者向けに解説
- 学校施設の長寿命化計画(個別施設計画)とは?計画体系・記載事項・改訂の進め方【2026年版】
- 学校のZEB・省エネ改修とは?断熱・木材活用・エコスクールと補助を自治体向けに解説【2026年版】
- 学校の設計事務所の選び方|実績・体制・監理の見方と設計料の考え方【2026年版】
- 学校設計のプロポーザルとは?発注方式の違いと公募型の流れ・評価基準を実務目線で解説【2026年版】
- 高校の改修工事|公立・私立で異なる財源と再編整備の実務【2026年版】
学校施設のご相談
株式会社光建舎は、設計(ウイングスペース一級建築士事務所)から施工まで一社で対応しています。図面や仕様が固まっていない計画段階からのご相談も承っています。概算だけ先に欲しい、という段階でも構いません。
受付時間 平日 9:00〜18:00