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学校のICT環境整備3か年計画とは何か?

目次

2025〜2027年度の整備目標水準と単年度1,464億円

国が示す学校のICT環境の整備目標と、その財源の計画です。

正式には「学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)」です。6文科初第2064号「令和7年度以降の学校におけるICT環境の整備方針及び学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)について(通知)」により、令和7年1月24日に示されました。

必要な事業費は単年度で1,464億円とされ、令和6年度比32億円増です。これに所要の地方財政措置が講じられます。

あわせてGIGAスクール構想加速化基金を活用した義務教育段階の端末整備(補助率3分の2)の地方負担分として、単年度373億円の地方財政措置が示されています。

実務上の意味は、この計画の整備水準が予算要求の根拠になることです。

この記事では、①計画の概要、②整備目標水準、③事業費と地方財政措置、④前身の計画との関係、⑤実務での使い方、の5点を整理します。

この記事の要点

  • 6文科初第2064号(令和7年1月24日)で示された計画。期間は2025〜2027年度
  • 必要な事業費は単年度1,464億円(令和6年度比32億円増)で所要の地方財政措置
  • GIGAスクール構想加速化基金の地方負担分として単年度373億円の地方財政措置
  • 整備水準は学習者用・指導者用端末の1人1台、大型提示装置の各普通教室1台、無線LANの100パーセント整備など
  • 前身は教育のICT化に向けた環境整備計画。令和6年度は単年度1,432億円の地方財政措置

計画の概要はどうなっているのか?

国が示す整備目標と財源の計画です。

項目 内容
名称 学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)
通知 6文科初第2064号「令和7年度以降の学校におけるICT環境の整備方針及び学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)について(通知)」
日付 令和7年1月24日
期間 2025年度から2027年度まで
必要な事業費 単年度1,464億円(令和6年度比32億円増)
財源 所要の地方財政措置

補助金の計画ではない

この計画は、国が自治体に補助金を配る計画ではありません。自治体が整備すべき水準を示し、その財源として地方財政措置が講じられるという構造です。

したがって申請して採択を受ける手続きはありません。一方、措置された額が現金として入るわけでもありません。

整備方針と計画の2本立て

通知の名称には「整備方針」と「3か年計画」の両方が入っています。方針が考え方、計画が具体的な水準と事業費です。

期間は3年度

2025年度から2027年度までです。したがって2028年度以降の扱いは、次の計画によって決まります。

長期の整備計画を立てる場合、この点を前提に置いてください。

GIGAスクール構想第2期の文脈

1人1台端末は第1期で整備されました。この計画は、その環境を前提に「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させる方向を示しています。

端末の更新と、ネットワーク速度の確保が中心の論点です。

デジタル活用推進事業債への言及

計画に関する資料では、デジタル活用推進事業債(仮称)への言及があります。

地方債の区分として整理されれば、ICT整備の財源に起債を充てる形が明確になります。制度の内容は所管部署に確認してください。

整備目標水準はどうなっているのか?

端末は1人1台、無線LANは100パーセントです。

項目 整備水準
学習者用端末 1人1台整備
高校生端末 生徒数の3分の1程度
指導者用端末 1人1台整備
業務用ディスプレイ 計画の対象に追加
大型提示装置・実物投影機 各普通教室1台、特別教室用として各学校に6台
インターネット・無線LAN 100パーセント整備
ネットワーク速度 100パーセント(令和7年度)
統合型校務支援システム 100パーセント(令和11年度)
ICT支援員 4校に1人配置
充電装置 充電保管庫・モバイルバッテリ

学習者用端末は1人1台

義務教育段階は1人1台整備です。高校生端末は生徒数の3分の1程度とされています。

高校段階の水準が義務教育段階と異なるのは、保護者負担による端末の持込み(BYOD)を含む整備が想定されているためです。

端末の補助制度はGIGAスクール構想の端末整備に使える補助金は何か?で扱っています。

指導者用端末も1人1台

授業を担任する教師1人1台という水準です。学習者用とは別に必要になります。

業務用ディスプレイが加わった

教員の業務用ディスプレイが計画の対象に追加されています。校務の効率化を目的とするものです。

端末の画面だけでは資料の並べ比べが難しいため、ディスプレイを追加する考え方です。

大型提示装置は各普通教室1台

各普通教室に1台、加えて特別教室用として各学校に6台という水準です。

したがって普通教室が18ある学校では、18台+6台で24台という計算になります。普通教室の数を数え直すと、想定より必要台数が多くなる学校が出ます。

ネットワーク速度に期限がある

無線LANの100パーセント整備に加えて、ネットワーク速度について令和7年度に100パーセントという目標が示されています。

1人1台端末が同時に動くと、第1期の設計では帯域が足りない学校が出ます。回線の増速と校内機器の更新が論点です。

校務支援システムは令和11年度

統合型校務支援システムの100パーセント整備は令和11年度が目標です。3か年計画の期間を超える期限が設定されています。

ICT支援員は4校に1人

人の配置も水準に含まれます。機器を入れても使えるようにする体制がなければ投資が活きないという考え方です。

整備水準の全体像は学校のICT環境とは何か?で扱っています。

事業費と地方財政措置はどうなっているのか?

単年度1,464億円です。

区分 額
3か年計画の必要な事業費 単年度1,464億円(令和6年度比32億円増)
GIGAスクール構想加速化基金の地方負担分 単年度373億円
教育のICT化に向けた環境整備計画(令和6年度・基金分を除く) 単年度1,432億円

事業費と地方財政措置の関係

事業費は、全国の自治体が整備するのに必要な額の見積もりです。これに「所要の地方財政措置が講じられる」とされています。

つまり国が補助するのではなく、交付税の算定を通じて財源が確保される形です。

基金の地方負担分が別に示されている

GIGAスクール構想加速化基金を活用した義務教育段階の端末整備は補助率3分の2です。残る3分の1が自治体の負担で、この地方負担分として単年度373億円の地方財政措置が示されています。

したがって補助と地方財政措置が組み合わされる構造です。基金の仕組みはGIGA端末の更新費用はどう財源化するのかで扱っています。

不交付団体では効果が現れない

地方財政措置は基準財政需要額への算入です。普通交付税の不交付団体では効果が現れません。

この点は起債の交付税措置と同じ構造です。

予算要求では一般財源として扱う

補助金がある場合、採択を前提に予算を組みます。地方財政措置の場合、一般財源として要求します。

したがって他の事業と同じ土俵で査定を受けます。必要性の説明が予算の確保を左右します。

整備水準が要求の根拠になる

国が示す水準と自団体の現状を並べると、不足が数字で出ます。これが予算要求の根拠になります。

「4校に1人に対して現在は10校に1人」「大型提示装置は各普通教室1台に対して整備率60パーセント」。こうした形で示してください。

単年度の額は全国の総額

1,464億円は全国の総額です。自団体にこの額が配分されるわけではありません。

自団体の必要額は、学校数と児童生徒数から積算します。

前身の計画との関係はどうなっているのか?

教育のICT化に向けた環境整備計画を引き継いだものです。

計画 期間 地方財政措置
教育のICT化に向けた環境整備計画 令和6年度時点で継続 基金分を除き単年度1,432億円
学校のICT環境整備3か年計画 2025〜2027年度 単年度1,464億円

検索では旧名称が残っている

「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」という名称で検索されることがあります。これは以前の計画の呼び方です。

現在の計画は「学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)」です。資料を探すときは現在の名称で確認してください。

地方財政措置という仕組みは変わっていない

名称と期間が変わっても、整備水準を示して地方財政措置で財源を確保するという仕組みは同じです。

したがって旧計画の経験は、現在の計画でもそのまま使えます。

水準が更新されている

業務用ディスプレイの追加、ネットワーク速度の期限設定、校務支援システムの令和11年度目標。こうした点が更新されています。

旧計画の資料で予算を組むと、現在の水準と合いません。

額は増えている

令和6年度の1,432億円(基金分を除く)に対し、3か年計画は1,464億円です。32億円の増です。

基金が並行している

GIGAスクール構想加速化基金は、計画とは別の枠組みです。都道府県に基金を造成し、端末の更新を支援する仕組みです。

計画の地方財政措置と基金の補助は、両方を見て財源を組みます。

補助金との関係

ICT整備には補助金の区分もあります。端末の公立学校情報機器整備事業費補助金、運営支援のGIGAスクール運営支援センター整備事業。

全体像は学校のICT環境整備で使える補助金まとめで扱っています。

実務ではどう使うのか?

現状と水準の差を数値にします。

手順 内容
1 通知と計画の本体を入手する
2 項目ごとに自団体の整備状況を調べる
3 水準との差を数値で出す
4 不足を埋めるための事業費を積算する
5 補助金が使える部分と地方財政措置の部分を分ける
6 年度ごとの予算に落とす
7 議会・財政部門への説明資料を作る

項目ごとに整備率を出す

端末、指導者用端末、業務用ディスプレイ、大型提示装置、無線LAN、ネットワーク速度、校務支援システム、支援員。項目ごとに整備率を出してください。

一覧にすると、どこが遅れているかが一目で分かります。

差を金額に換算する

整備率だけでは予算になりません。不足台数に単価を掛けて金額に換算してください。

大型提示装置が40台不足しているなら、単価を掛けた額が必要な事業費です。

補助と地方財政措置を分けて示す

端末は補助金が使えます。ネットワークの更新は地方財政措置が基本です。

財源の区分を分けて示すと、一般財源がいくら必要かが明確になります。

整備方針の考え方も読む

通知には整備方針が含まれています。GIGAスクール構想により実現した1人1台端末環境を前提として「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実するという方向です。

予算要求の説明では、この考え方に沿った整理が通りやすくなります。

期間の終わりを意識する

計画は2027年度までです。2028年度以降の整備は次の計画によります。

したがって3年度で達成できる範囲と、次期に回す範囲を分けて計画してください。

計画の見直しを前提に置く

国の計画が更新されれば、水準も変わります。業務用ディスプレイのように新しい項目が加わることもあります。

自団体の計画は、国の計画の更新に合わせて見直す前提で作ってください。

よくある質問

Q. 学校のICT環境整備3か年計画とは何ですか。

A. 国が示す学校のICT環境の整備目標と財源の計画です。6文科初第2064号(令和7年1月24日)の通知で示され、期間は2025年度から2027年度までです。

Q. 事業費はいくらですか。

A. 必要な事業費は単年度で1,464億円とされ、令和6年度比32億円増です。これに所要の地方財政措置が講じられます。

Q. 補助金として申請できますか。

A. できません。補助金ではなく地方財政措置です。整備水準を示し、交付税の算定を通じて財源が確保される仕組みです。

Q. 端末の整備水準はどうなっていますか。

A. 学習者用端末は1人1台整備、指導者用端末も1人1台整備です。高校生端末は生徒数の3分の1程度とされています。

Q. 「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」とは違いますか。

A. 旧計画の呼び方です。現在の計画は「学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)」で、業務用ディスプレイの追加やネットワーク速度の期限設定など水準が更新されています。

Q. 自団体にいくら配分されますか。

A. 1,464億円は全国の総額です。自団体に配分される額ではありません。必要額は学校数と児童生徒数から積算します。

まとめ

学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)は、6文科初第2064号「令和7年度以降の学校におけるICT環境の整備方針及び学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)について(通知)」により令和7年1月24日に示された計画です。必要な事業費は単年度1,464億円(令和6年度比32億円増)で、所要の地方財政措置が講じられます。

補助金の計画ではありません。自治体が整備すべき水準を示し、その財源として地方財政措置が講じられる構造です。したがって申請して採択を受ける手続きはなく、予算要求では一般財源として他の事業と同じ土俵で査定を受けます。基準財政需要額への算入であるため、不交付団体では効果が現れません。

整備目標水準は、学習者用端末と指導者用端末の1人1台整備、高校生端末は生徒数の3分の1程度、大型提示装置は各普通教室1台と特別教室用6台、インターネット・無線LANの100パーセント整備、ネットワーク速度の令和7年度100パーセント、統合型校務支援システムの令和11年度100パーセント、ICT支援員の4校に1人配置です。教員の業務用ディスプレイが新たに加わりました。

あわせてGIGAスクール構想加速化基金を活用した義務教育段階の端末整備(補助率3分の2)の地方負担分として、単年度373億円の地方財政措置が示されています。補助と地方財政措置が組み合わされる構造のため、両方を見て財源を組みます。

実務では、項目ごとに自団体の整備率を出し、水準との差を金額に換算することが出発点です。「4校に1人に対して現在は10校に1人」という形で示せば、予算要求の根拠になります。あわせて補助金が使える部分と地方財政措置の部分を分けて示し、一般財源がいくら必要かを明確にしてください。

参考・出典

記載の整備水準、事業費および地方財政措置の額は公表時点のものです。計画は見直されることがあり、措置の扱いは団体の財政状況により異なります。個別の適用は文部科学省および都道府県・市町村の所管部署にご確認ください。

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