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学校の校内LAN・無線LAN整備に補助金は使えるのか?【2026年版】終了した補助金と現在の財源

国庫補助は終了しており、現在は地方財政措置が基本です。

GIGAスクール構想の初期に使われた公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金は、交付要綱が令和2年文部科学大臣決定、補助率は新設等経費の2分の1でした。対象は校内LANの新設・更新の事業に必要な経費と、サーバー、無線アクセスポイント等のネットワーク機器の整備等に要する経費です。

ただし事業の実施期間は令和元年度から3年度までとされていました。つまりこの補助金は終了しています。

現在のネットワークの更新は、学校のICT環境整備3か年計画に基づく地方財政措置で手当てします。計画では単年度1,464億円の事業費に所要の地方財政措置が講じられるとされています。

この記事では、①終了した補助金の内容、②現在の財源、③整備の目標水準、④更新で論点になること、⑤進め方、の5点を整理します。

目次

この記事の要点

  • 公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金は補助率2分の1、実施期間は令和元年度から3年度まで
  • 対象は校内LANの新設・更新、サーバー、無線アクセスポイント等のネットワーク機器
  • 現在の更新は地方財政措置が基本。3か年計画の事業費は単年度1,464億円
  • 整備目標はインターネット・無線LANの100パーセント整備、ネットワーク速度は令和7年度に100パーセント
  • 施設の改修と同時に行う場合は、工事の区分で財源が変わる

終了した補助金はどういう内容だったのか?

補助率2分の1の施設整備費補助金でした。

項目 内容
名称 公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金
交付要綱 令和2年 文部科学大臣決定
補助率 新設等経費の2分の1
対象経費 校内LANの新設・更新の事業に必要な経費、サーバー・無線アクセスポイント等のネットワーク機器の整備等に要する経費
実施期間 令和元年度から3年度まで

施設整備費補助金として扱われた

名称に「施設整備費」が入っています。つまり校内LANは建物の設備として扱われました。

端末の整備は情報機器の補助金、ネットワークは施設整備費の補助金という区分です。端末の補助はGIGAスクール構想の端末整備に使える補助金は何か?で扱っています。

補助率2分の1だった

新設等経費の2分の1が国の負担です。端末の3分の2より低い率でした。

残る2分の1は実施者の負担で、起債や一般財源で手当てする形でした。

実施期間が終わっている

事業の実施期間は令和元年度から3年度までです。したがって令和4年度以降の新設・更新には使えません。

第1期のGIGAスクール構想で全校の校内LANを整備することを目的とした、期間限定の補助金でした。

会計検査院の指摘があった

この補助金については、交付が過大であった事例が会計検査院の検査報告で取り上げられています。

したがって当時の整備についても、実績報告の内容が後に精査される可能性があります。記録を保管してください。

第1期の整備から年数が経っている

令和元年度から3年度に整備した機器は、5年から7年が経過しています。無線アクセスポイントやスイッチの更新時期に入る団体が増えています。

この更新に国庫補助はありません。

現在の財源は何か?

地方財政措置です。

区分 内容
学校のICT環境整備3か年計画 必要な事業費は単年度1,464億円とし、所要の地方財政措置
GIGAスクール構想加速化基金の地方負担分 単年度373億円を地方財政措置
教育のICT化に向けた環境整備計画(令和6年度) 基金分を除く学校ICT環境整備に必要な経費として単年度1,432億円を地方財政措置

補助金ではなく地方財政措置になる

補助金は申請して交付を受けるものです。地方財政措置は、普通交付税の基準財政需要額に算入される形で財源が確保されるものです。

したがって「申請して通る・通らない」という手続きはありません。一方、措置された額が実際に入ってくるわけでもありません。

不交付団体では効果が現れない

地方財政措置は基準財政需要額への算入です。普通交付税の不交付団体では効果が現れません。

この点は起債の交付税措置と同じ構造です。財政の所管部署に確認してください。

予算要求の仕方が変わる

補助金がある場合、採択を前提に予算を組みます。地方財政措置の場合、一般財源として要求します。

したがって他の事業と同じ土俵で査定を受けます。必要性の説明が予算の確保を左右します。

3か年計画の位置づけ

学校のICT環境整備3か年計画(2025〜2027年度)は、6文科初第2064号(令和7年1月24日)の通知で示されました。前身は教育のICT化に向けた環境整備計画です。

計画の内容は学校のICT環境整備3か年計画とは何か?で扱っています。

起債を組み合わせる

ネットワーク機器は耐用年数が短いため、起債の対象になりにくい面があります。一方、建物に組み込む配線やラックの工事は施設整備として扱われる場合があります。

工事の区分によって財源が変わります。設計の段階で財政の所管部署に確認してください。

整備の目標水準はどうなっているのか?

無線LANは100パーセント整備です。

項目 整備水準
インターネット・無線LAN 100パーセント整備
ネットワーク速度 100パーセント(令和7年度)
学習者用端末 1人1台整備
指導者用端末 1人1台整備
大型提示装置・実物投影機 各普通教室1台、特別教室用として各学校に6台
統合型校務支援システム 100パーセント(令和11年度)
ICT支援員 4校に1人配置

無線LANは全校整備が前提

整備水準は100パーセントです。つまり未整備の学校があれば、整備の対象になります。

第1期で全校整備が進んだため、現在の課題は更新と速度の確保に移っています。

速度の目標が令和7年度に設定されている

ネットワーク速度について、令和7年度に100パーセントという目標が示されています。

1人1台端末が同時に動くと、第1期の設計では帯域が足りない学校が出ます。したがって回線の増速と校内の機器の更新が論点になります。

帯域不足は端末が増えてから現れる

校内LANを整備した時点では問題がなくても、端末の台数が増え、動画やクラウドの利用が進むと帯域が足りなくなります。

授業中に接続が切れる、動画が止まる。こうした症状は機器の更新だけでは解決しないことがあります。回線の契約も見直してください。

整備水準の全体像

ICT環境として何を整えるべきかは学校のICT環境とは何か?で扱っています。

セキュリティ対策が加わっている

3か年計画ではセキュリティ対策も項目に挙げられています。ネットワークの更新と同時に、認証の仕組みを見直す団体があります。

機器の更新だけでなく、設定と運用の設計を含めて計画してください。

更新で論点になることは何か?

工事の区分と財源の対応です。

論点 内容
工事の区分 配線・ラックの工事か、機器の更新か
施設改修との同時施工 大規模改造と合わせるか単独で行うか
回線の契約 校内の機器だけでなく外部回線の増速
運用の体制 障害対応とヘルプデスク
更新のサイクル 機器の耐用年数と予算の平準化

配線工事と機器更新で財源が変わる

建物に組み込む配線、配管、ラックの工事は施設整備として扱われる場合があります。一方、無線アクセスポイントやスイッチの入替えは機器の更新です。

施設整備として扱われれば起債の対象になり得ます。機器の更新は地方財政措置と一般財源が基本です。

したがって工事を分ける前に、どの区分で整理するかを財政の所管部署に確認してください。

大規模改造と同時に行うと有利になる場合がある

校舎の大規模改造に合わせて配線を更新すると、工事費が改造事業の対象経費に含まれる場合があります。

学校施設環境改善交付金の大規模改造は算定割合3分の1から2分の1です。ネットワークの工事が対象経費に含まれるかは所管部署の判断によりますが、含まれれば補助の対象になります。

改造の計画があるなら、ネットワークの更新時期を合わせる選択を検討してください。

単独で行うと足場や仮設が重複する

天井内の配線を触る工事では、足場や養生が必要になります。改修と別に行うと、この費用が二重にかかります。

工程をまとめられるなら、まとめた方が総額は下がります。

回線の契約を見直す

校内の機器を更新しても、外部回線が細ければ速度は上がりません。学校ごとの契約と帯域を確認してください。

自治体の情報系ネットワークを経由している場合、ボトルネックが学校の外にあることがあります。

運用の体制を同時に整える

機器を更新しても、障害に対応する体制がなければ授業が止まります。ヘルプデスクと障害対応の委託が必要です。

この費用はGIGAスクール運営支援センター整備事業の対象になります。国3分の1、市町村3分の2という負担割合の整理が示されています。

更新のサイクルを決めておく

ネットワーク機器の更新を場当たりで行うと、年度ごとの負担が読めません。機器の種類ごとに更新の目安年数を決め、計画に落としてください。

ICT整備の補助金全体は学校のICT環境整備で使える補助金まとめで扱っています。

進め方はどうするのか?

現状の把握から入ります。

手順 内容
1 学校ごとの機器の設置年と型番を把握する
2 回線の契約と実測の速度を確認する
3 更新が必要な機器と時期を整理する
4 工事の区分(施設整備か機器更新か)を財政の所管部署に確認する
5 大規模改造の計画との調整を行う
6 運用の体制と費用を同時に見積もる
7 年度ごとの予算に落とす

設置年と型番の一覧を作る

更新の判断には、いつ何を設置したかの記録が必要です。第1期の整備から年数が経っているため、記録が散逸している団体があります。

学校ごとに一覧を作ることが最初の作業です。

実測の速度を取る

契約上の速度ではなく、教室で実際に出ている速度を測ります。時間帯によって変わるため、授業中の測定が必要です。

数値がないと、予算要求の根拠を示せません。

症状を記録する

接続が切れる、動画が止まる、ログインに時間がかかる。こうした症状を学校から集めて記録してください。

機器の更新で解決するのか、回線の増速が必要なのか。症状から切り分けます。

改造の計画と突き合わせる

校舎の大規模改造や長寿命化改良の計画がある学校では、ネットワークの更新を合わせられます。

計画の年度を並べて、まとめられる学校を探してください。

複数年度に分ける

全校を同時に更新すると予算が集中します。一方、学校ごとに時期を分けると機種が混在し、運用の手間が増えます。

更新の単位は、同じ機種で揃えられる範囲でまとめるのが実務的です。

仕様を所管部署と事業者の両方に確認する

ネットワークの仕様は専門性が高く、教育委員会だけで決めるのは難しい面があります。情報政策の所管部署と事業者の両方に確認してください。

仕様を事業者任せにすると、更新のたびに同じ事業者に依存する形になります。

よくある質問

Q. 学校の校内LAN整備に補助金は使えますか。

A. 現在は使えません。公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金は実施期間が令和元年度から3年度までとされており、終了しています。

Q. 終了した補助金の補助率はいくらでしたか。

A. 新設等経費の2分の1です。対象経費は校内LANの新設・更新の事業に必要な経費と、サーバー、無線アクセスポイント等のネットワーク機器の整備等に要する経費でした。

Q. 今の更新はどう財源化しますか。

A. 地方財政措置が基本です。学校のICT環境整備3か年計画では、必要な事業費を単年度1,464億円とし、所要の地方財政措置が講じられるとされています。

Q. 無線LANの整備目標はどうなっていますか。

A. インターネット・無線LANは100パーセント整備です。あわせてネットワーク速度について令和7年度に100パーセントという目標が示されています。

Q. 大規模改造と合わせると有利になりますか。

A. なる場合があります。学校施設環境改善交付金の大規模改造は算定割合3分の1から2分の1です。ネットワークの工事が対象経費に含まれるかは所管部署の判断によります。

Q. 機器を更新すれば速度は上がりますか。

A. 一概には言えません。外部回線が細ければ校内の機器を更新しても速度は上がりません。教室での実測値を取って切り分けてください。

まとめ

学校の校内LAN・無線LAN整備に使われた公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金は、交付要綱が令和2年文部科学大臣決定、補助率は新設等経費の2分の1でした。対象は校内LANの新設・更新と、サーバー、無線アクセスポイント等のネットワーク機器の整備等です。ただし実施期間は令和元年度から3年度までで、終了しています。

現在の更新は地方財政措置が基本です。学校のICT環境整備3か年計画では、必要な事業費を単年度1,464億円とし、所要の地方財政措置が講じられるとされています。補助金と違い申請の手続きはありませんが、措置された額が現金として入るわけではなく、不交付団体では効果が現れません。予算要求では一般財源として他の事業と同じ土俵で査定を受けます。

整備の目標水準は、インターネット・無線LANの100パーセント整備と、ネットワーク速度の令和7年度100パーセントです。第1期で全校整備が進んだため、現在の課題は更新と速度の確保に移っています。端末が増え、動画やクラウドの利用が進むと、第1期の設計では帯域が足りなくなります。

更新で論点になるのは工事の区分です。建物に組み込む配線、配管、ラックの工事は施設整備として扱われる場合があり、起債の対象になり得ます。一方、無線アクセスポイントやスイッチの入替えは機器の更新で、地方財政措置と一般財源が基本です。校舎の大規模改造に合わせれば、工事費が改造事業の対象経費に含まれる可能性があります。

進め方としては、学校ごとの機器の設置年と型番の一覧を作り、教室での実測速度を取ることが出発点です。数値がなければ予算要求の根拠が示せません。あわせてヘルプデスクと障害対応の体制を同時に見積もってください。機器を更新しても対応する体制がなければ授業が止まります。

参考・出典

記載の補助率、事業期間および整備水準は公表時点のものです。工事の区分、対象経費の範囲および地方財政措置の扱いは所管部署の運用により異なります。個別の適用は文部科学省および都道府県・市町村の所管部署にご確認ください。

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